2009年12月15日火曜日

キャラメル


レバノンを舞台にした映画、とあるヘアエステサロンに集う女性の物語。キャラメルは脱毛に使用するのだ。
あまりの異文化にちょっと入り込めない感もあるけれど、この4人の女性に共感できる。
この女の人達は外見の美しさ(ここではいろんな意味で捉えて欲しい、モテるとかいう観点だけではなくて)を求め、内面の葛藤にも果敢に挑んでいる。制約の中で、自分という存在と向き合い、まっすぐ自らを見つめようとする。女性が意思を示し、美しく生きるの様が描かれているように感じた。ストーリーはとてもシンプルで、主演女優が脚本監督をつとめており、メッセージも明確でみてて分かりやすい。

驚くのは、日本より、格段に権利や自由は保証されてないし、結婚前は処女であることに未だこだわりがある。夜に結婚前の男女が二人きりでいることがあってはならないし、良いホテルには夫婦でないと男女ふたりきりでは泊まれない。おそらく、同性愛も難しい。
古い国、不思議な国、宗教の国、なぜそこまで頑ななのかと思うが、そういう制約があるからこそ、見えてくる自由がある。そして、自己の判断に委ねられている私たちは、より多様な見解をもてるし、ある程度のことならどのような行動しても大して問題視されない。

美しい映像とレバノンの美しい女性たちから受けたのは、警告に似たものだった。自由意思が許されてるからこそ、ある意味怠惰な面も穏便にすましてもらってる面があることを忘れてはいけない。
葛藤のある時代は、他からみれば、きらきらして見えるのかもしれない。恐らく、その場に自分がいたら窮屈に感じるんだろう。ただ、この映画からは、建前もあるがそれより先に気持ちがあることを強く表現していたように思う。何より大切にしたいことだと感じた。